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ニュースに出てくる「高度人材」とは?

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■在日1年で永住ビザ??!
今朝の新聞で外国人の「高度人材」の永在留歴に係る永住許可要件が緩和されるというニュースが発表されました。現行では、申請には「高度専門職ビザ」(以下「高度人材ビザ」)取得後5年の滞在期間が必要ですが、それを3年、またはさらに優秀な人材には1年に短縮するとしています(未定のようですが)。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09535590V11C16A1MM8000/(Japanese)
http://www.japantimes.co.jp/news/2016/11/15/national/crime-legal/japans-permanent-residency-rules-may-loosened-lure-global-talent/#.WCxljsDCdIB.facebook(English)
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■高度人材とは?
学歴、職歴、年収、研究実績などの項目ごとにポイントを設け,ポイントの合計が一定点数(70点)に達した場合に,出入国管理上の優遇措置を与える制度です。
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/system/index.html

この表を見ていただくと、どのような要件が問われているのかがわかります。
[高度人材のポイント自己計算表]
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/pdf/150406-5.xls

これをじっくり見てみると、高度人材と言っても、特別な技能や、研究実績がなくても、認定される可能性が十分にあることがわかります。例えば、日本の大学を出て(10)、大学院に行って(20)、日本語能力試験N1に合格していて(15)、30代前半で(10)、5年以上7年未満の就労経験(10)があり、年収が400~500万円(10)、これで75点です。これはモデルですが、例えば30歳未満、研究実績ありならさらにポイントが上がるので、他で不足している分をカバーできるでしょう。

現行の制度では以下のような優遇措置があります。
1. 複合的な在留活動の許容(つまり、正業の仕事をしながら副業も認められています)
2. 在留期間「5年」の付与
3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和(現在は「高度人材ビザ」取得後5年)
4. 配偶者の就労
5. 一定の条件の下での親の帯同
6. 一定の条件の下での家事使用人の帯同
7. 入国・在留手続の優先処理

(法務省 入国管理局のHPよりhttp://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_3/system/index.html

「高度」でない人材が上記のことが認められていないと考えると、かなり優遇されているのがわかります。ちなみに、通常の永住許可の要件は滞在10年です。

で、今回ニュースの焦点となっているのは3番で、現行では永住許可の申請には(高度人材ビザ取得後)5年の滞在期間が必要でしたが、それを3年、またはさらに優秀な人材には1年に短縮することを検討しているということです。
(参考)永住ビザ取得のメリットはこちらhttp://d1sogo.jp/visa_personal/permanent_resident/merit/

ニュースによると、「日本経済の生産性の向上」「技術力の向上」「国際競争力の強化」となっていますが、他国との人材の獲得競争に負けてはいけないというのが一番の理由であるような気がします。韓国も優秀な人材には滞在1年で永住ビザを出しているということですから、競争意識が見て取れるようです。

■日本語教師として思うことは・・・

自分の仕事に関連した狭い意見になってしまいますが・・・永住権が得やすくなるということで、より日本語学習の需要が増す可能性があるかなということです。根拠としては、

①1~2年の短期の滞在ではなく、永住するとなると、子供の教育や地域社会との連携など、仕事以外で日本語が必要となる場面も増えていくと思うからです。
②また、認定要件の中に「日本語能力試験1級」があることで、受験者が増加し、その対策のために日本語学習を始める人もいるかもしれません。
③さらには、海外からの移住してくる人のための語学や文化の研修などもあるかもしれません。
④帯同の家族も対象となるかもしれません。

これは一部ですが、ほかにもいろいろ可能性はあると思います。
gaikokujin huuhu

■終わりに
一方で、心配していることもあります。それは日本がソフト面で、外国人の受け入れがまだ整っていないことです。まだ社内で英語が使えないという会社は多いと聞きますし、異文化の受け入れの準備が整っていない会社も多いです。「一時的」ではなく「永住」する覚悟で来る外国人(その家族も含めて)を一生付き合っていく仲間として受け入れることができるのか、外国人よりも日本人、日本企業の方が試されているのではないかと思っています。こういった部分で、日本語教師として何ができるのか、これから考えていかなければならないと思います。
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プロフィール

Tanakakumi

Author:Tanakakumi
1975年、東京都生まれ。
高校時代より英語の教授法に興味を持ち始め、杏林大学外国語学部英米語学科で英語教育を専攻し英語教員免許(第一種)を取得。日本語は副専攻。3年間の予備校勤務を経てイギリス・ニューカッスル大学の修士課程(言語学)で第二言語習得理論を研究。

帰国後は専門学校で英語教師として勤めるかたわら、ボランティアで日本語を教え始める。2005年韓国(群山)で日本語教師デビュー。1年半の勤務の後、帰国後は留学生を対象とした日本語学校で7年間専任講師を務める。日本語能力試験対策、大学受験指導(日本留学試験、面接対策)、進学説明会、イベントや校外活動の企画等を担当。副業でビジネスマンのプライベートレッスンを多数担当。1年間アジア7か国への学生募集の営業も経験。留学セミナーなどの企画に携わる。

2013年フリーランスで活動開始。現在は多国籍の社会人向けの会話を中心にした学校で、主にプライベート、少人数のグループレッスンを担当し、日本語能力試験、ビジネス日本語などを中心に教えている。

これまで15000時間以上のレッスンを担当し、5000人以上の外国人の指導経験がある。

コーチングの手法を使った教授法を個別レッスンに取り入れており、面接練習や試験対策などで成果を出している。

このブログでは、現役日本語教師だけでなく日本語教育に全くかかわりがない人にも日本語教師という存在を知ってもらいたいと思い、日本語教師の仕事を中心に、主に外国人とのかかわりについての記事をアップしていきます。毎日が異文化体験で退屈度”0”の日本語教師のグローバルな日常を覗いてみませんか。

趣味は語学学習(中国語検定3級、韓国語準2級)、読書(&書評を書くこと)、散歩、勉強会(特に雑学)、旅行(広島、鎌倉など海が好き)、アート(特に現代アート)、ロック音楽(1960~70年代)、書道

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